『ヒースブログ』の管理人のヒースです。
2020年のクリスマスイブの夜に舞い込んだ2つのニュース。
どちらも、目も耳も覆いたくなる、今の政治の悪い面が思いっきり出たものだ。
竹本元IT相が新型コロナウィルスに感染した。
国民に5人以上の宴会はするな、と国自体が言っている中で80人での講演会およびパーティーを開催した件。しかも、秘書がやったことでパーティーのことは知らなかったと言っていたというこの会合に参加し、しっかりと感染。
たとえ感染源がパーティーじゃなかったとしても、多くの人が集まる場に赴き、多くの人と至近距離で会話をしたのだろう。講演会側で対策をしていたとしても、その前後はガードが緩くなる。
オフィスではしっかり対策していても、喫煙室では油断するようなものだ。徹頭徹尾、他人とは距離を取る、大声で話さない、握手や肩を叩いたりといったボディタッチはしない――そこまでして感染対策だ。
元IT相なのでなんとも言えないが、リモート宴会やリモートワークを推奨するのがIT相だろう。画面越しに講演をしてもいいだろうし、その後の集まりは最初からそういうことはしてはいけない、と秘書に常日頃言っておけばいいことだろう。秘書がそれらの指示を無視し、よかれと思って勝手に開催したのなら、まさに「知らなかった」と言ってもいい。
管理監督責任を取るべき部分ではあるが。
大人数のパーティーはこの時期自粛しないといけないはずが、肝心の自分たちは対象外――ここのところの政治でよく見かける悪しき慣習の結果の現れだ。そして、結局氷山の一角に過ぎない。
さらに、安倍元首相の「桜を見る会」問題の会見も同日に行われている。
こちらも、秘書がやったことなので知らなかった、というよくあるフレーズに終止した。
野党から散々突っ込まれて、ちゃんと確認した結果問題なかったと118回に渡り答弁した。そのすべてが結果として誤りだった――それで終わってしまって本当に良いのだろうか?
明細書があるはずだ!
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確認したがなかった。
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確認したのはホテルではなく事務所であり、たしかにそこにはなかった。ホテルにはあったとは思う。
1人あたり5000円で開ける規模のものではない会合を、頑なに問題がないとし、結果として野党の追求通り費用の補填をおこなっていた。そして、それらはすべて知らなかったことで済ませられそうになっている。
知らない、記憶にない。
政治家のよく使うフレーズだが、今後は一般社会でも普通に使っていいのだろうか? まさかそんなことはない。これが許されるのは特殊な聖域だけだろう。
同日に発信された2つのニュース。
どちらも、秘書がやったことなら知らなかったで済む謎のシステムが機能している。
問題があった秘書は解雇され、罪に問われても罰金で済んでしまう。あとは時間がすべてを過去のものとして洗い流してくれるのを待つばかり。
国民にとって、とんだクリスマスプレゼントだったはずだ。
新型コロナで感染者数過去最多を連発する東京都の小池都知事も、888人を記録したクリスマスイブに「サイレントナイトを」と、もはや国が率先して守らない自粛ルールをお願いすることしかできない。
忘年会もダメ、新年会もダメ、帰省もダメ。そして、クリスマスも静かに。
小洒落たことを言うステージはもうとうの昔に過ぎ去っていると思う。
三密は感染対策に有効だったために、国民に強く浸透した。
ただ、それ以降はどんなにお願いをしてもほぼ通じない状況となっている。わかりやすいフレーズを使ったりパネルを使っても、三密ほどの浸透はもはや期待できない。
なぜなら対策をしている人はしているし、外出しない人はもうずっと外出しない。仮に外出しても、それこそコロナ拡大初期の不要不急の外出であり、かつ最短時間としている。
逆に、当時から気にしなかった人は結局気にしないまま。GoToキャンペーンは最大限利用し、お願いレベルの静止は無視して、多人数での旅行や飲食をおこなってしまう。仮にGoToキャンペーンがなくてもたいして変わりはないだろう。
経済優先で新型コロナに対する危機感がかなり下がってしまったように感じる。伝わらない、と言うべきか。
感染者が減っていた夏頃からテレワークを徐々にしなくなった会社も、テレワークをしていたときよりも感染者が増えていても再度テレワークを徹底するわけでもない。電車通勤も混み、オフィスの人が増えたため寒くても換気、お昼に食べに出ればそこも人がたくさんだ。
緊急事態宣言時にスカスカだった場所は、元通りと言えずともそれなりに人で賑わうようになった。
お店側も、休業や営業時間短縮もある程度までしか行わない。入場制限もするところはするし、しないところはしない。売上の減少と補填が合っていないため、やむをえず営業をしているところも多い。
すでに対策を充分に打っている状態で、今の結果なのだ。これ以上はお願いレベルでどうこうなるものではない。
どうしても人手を減らしたいのであれば、それこそ緊急事態宣言レベルのことをするしかない。ただ、それが効果を発揮するかどうかはやってみないとわからない――今ではもうそういうレベルになっている。
そもそも、本当の医療崩壊、感染爆発にでもならない限り発動することはないだろう。春の経済のマイナス効果がトラウマになってしまったのだ。国も、都道府県も、会社も、店舗も。
補償が無限にできるのであれば、被害や損害に相当する補助金を延々と補填すればいい。それこそ新型コロナウィルス感染者が0人になるまで。でも、事実としてそんなことはできない。
だから、自粛をしてもらうお願いしかできないのだ。
とはいえ、これ以上の新型コロナウィルス感染を拡げないためには、最低でも政治家がその手本を示すほかない。
5人以上の飲食はしない。リモート会議をする。大人数でのイベントは行わない。普段会う人以外に会わない。あちこちに移動しない。あちこちから移動させない。
それに、なにかあったらとにかく言いわけをする姿勢を是正しないといけない。
「自分たちは例外だから」そういう認識は、若い人だけが持っているわけではない。むしろ、若い人だから持っているという根拠がまったくない。若いとかどうかは関係なく、そう考える人はそう考える。
特に顕著で目立っているのが、たまたま政権与党だけだった――そう言い切るには、見聞きする情報があまりにも残念なものばかりだ。
大人数パーティーが普通に行われているというニュースを見るたびに、思わず目を疑いたくなる。
どうして、このご時世にそういうことを、しかもそれを規制しようとしている人たちがおこなうことができるのか。これが理解できるのは、きっと悪い意味で鈍感力が強い人たちだけなのだろう。
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