ループ・ループ・ループ(著:桐山徹也/宝島社文庫)を読んで

『ヒースブログ』オーナーのヒースです。

第15回『このミステリーがすごい!』大賞で『愚者のスプーンは曲がる』という一風変わったサイキックミステリーを書き上げた作者による第2作目は、処女作に続き「よく考えたなぁ……」という設定が光る学園ミステリー。

それが掲題の『ループ・ループ・ループ』となる。


ざっくりと言うと『自分じゃない誰かの時間巻き戻し――ループに巻き込まれてしまった主人公のお話』という摩訶不思議なもの。しかも、この作品の主人公は「きっと僕はこの物語の主人公じゃない」と言ってのたまう。


もちろんその彼が『ループに巻き込まれた世界』での主人公なんだけど。


… … ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ … …


そもそも処女作の『愚者のスプーンは曲がる』もこのミス大賞では一芸に秀でた尖った作品である『隠し玉』に選出された曰く付きの作品だ。


みんなも聞いたことがあると思うけど、映画化もされた『スマホを落としただけなのに』と同じタイミングで同じ『隠し玉』として刊行されてる。ちょっと差がついちゃったけどね。



もちろんと言ったら変かもしれないけど、この2作を書店で実際に手に取ってあらすじや煽り文を見比べて『愚者のスプーンは曲がる』を選んだ。

そう、あきらかに設定にギミックがあってクセがあっておもしろそうだなと思った『愚者のスプーンは曲がる』を選んだんだ。



だって、『超能力を無効化する主人公を中心としたサイキックミステリー』だよ?


主人公視点だから、作中で超能力はまったく表現されないってどうよ? 読みたくない?



……個人的には大好きな作品のひとつですよ。こういう王道じゃない作品も結構好きなんだよね。


直近だと殺人鬼対殺人鬼というキャッチフレーズのこのミス大賞『怪物の木こり』もその煽りだけで買った。読んだ。おもしろかった。あえて書いたり書かなかったり時間軸をズラしたりとミスリードを誘う流れが秀逸だ。


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話がすっ飛びまくったけど、そんなひとクセある設定でミステリーを描く作者による第2作は、結果から言えばおもしろかった。満足した。


導入あらすじを簡単に説明すると、


主人公はある日突然同じ一日を繰り返していることに気づいた。最初はドッキリなんじゃないかとか、日付が間違えているんじゃないかと思っていたが、学校で受ける授業は記憶通り『昨日』とまったく同じ。そして、夜になり――いや、夜20時になったときに時間はループする。そしてまた『同じような』一日が始まった。

主人公は同じ一日を繰り返す中で、自分に手の届く場所で起きる事件を意図的や無意識に回避していく。そのたびに、主人公と同じように『昨日』の記憶を持つ仲間がひとりまたひとりと現れて……



……と、基本的に主人公の身の回りで起きている連続殺人事件と、主人公の周囲で起きる人の生命に関わる大きな事件や事故が徐々に解決され、繋がっていくところに興味が促される。


途中で物語のヒロインが解決するピタゴラスイッチみたいなギミックも、結果としてそうなるっていう先は読めるんだけど「なるほどねぇ」とその持って行き方に感心した。


… … ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ … …


ちゃんと読み進めていくと随所に違和感が残る。

もちろん作者がわざと残しているミスリードと伏線の両方によるものだ。




『――本当に今日は昨日と同じ一日をちゃんと繰り返しているのだろうか?』



ぜひ、一読を。

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